多摩川

                   作詞 岡本 悠/作曲 岡本 悠


1、 よく晴れた休日の午後 友と多摩川に行こうと決めた
  青と灰の自転車を適当に走らせて 気がつけば川が見えた
  眺めのいい場所、探して そこで自転車乗り捨てて
  石垣に寝そべり 滝の音に目を閉じた

  哀しげに釣り人が魚を待っていた 隣では青年が溜息をついていた
  遠くではおじいさんが橋を渡っていた 友人は柵越しで川に見とれていた
  幸せそうな4人の家族が現れて 2人の子供が草の上を走りまわっていた
  俺はただその姿をじっとただ見つめたまま いつの日の自分の姿に重ねていた

  Woo− 多摩川よ この川がこんなにも美しい場所だとは
  Woo− 知らなかったよ あまりにも美しくて あまりにも楽しい 多摩川


2、 のんびりと柵に寄りかかり 雄大な景色をもう一度眺めた
  川は何故、下流へとただただひた走るのか 何故、そんなに真っ直ぐなのか
  悩む事を知らない 俺とはまるで正反対だ
  川を見つめた心で 川に向かい問いかけた

  「先生、多摩川先生、あなたは何千年も生き、私はまだ17歳かもしれない
  でも俺だって頑張っているのです。あなたの姿に追いつきたくて頑張っているのです。
  何故、黙っているのですか?何故、黙っているのですか?
  必ず、あなたに恥じないように、ここへ戻ってきます。」
  「悩んでいるようなヒマがあったら進みなさい」 あなたはそう言いたいのか
  
  地に生えた雑草を力強くちぎり取り、今までを殺したくて川へと投げ捨てた。

  Woo− 多摩川よ この川がこんなにも美しい場所だとは
  Woo− 知らなかったよ あまりにも美しくて あまりにも哀しい 多摩川


3、 帰り際に見えた物、バーべキューに湧く社会人の平凡な笑顔
  ボール探す野球少年 周るバイクの教習所
  街は人達で溢れている その中をかき分けながら
  携帯電話やキャミソール達に なんだか愚痴ってしまった

  7年前、この場所で2万円を落とした 札のまんまポケットに入れていたら落とした
  今でも札のまんまポケットに入れたりする ハングリー精神が俺には育たなかった
  9年前、この場所でテニスを習っていた 今ではこの場所は噴水の公園になっていた
  そんな事話しながら 友と笑い話しながら
  いつの日かこの場所に来ようと話した

  Woo− 多摩川よ この川がこんなにも美しい場所だとは
  Woo− 知らなかったよ あまりにも美しくて 
  あまりにも楽しくて あまりにも哀しい 多摩川


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