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ブランド万才
Vol.10

 「あらあ、ガッカリだわ、あなたってブランド物に心惑わされる人ではないと思っていたのに、変われば変わったものね・・・」
と思われたら、ちょっと待って下さいまし。これはそういう話ではありません。
 「万才」とは何か?これは元々「万歳」と書いて、年の初めに烏帽子姿の二人連れが家々を回り、鼓を打って祝いの言葉を述べ、滑稽な仕草の舞を踊ったというものだそうです。ですから多分「漫才」もここから来ているのでしょう。むしろこっちかな。


 ところで日本人は何故こうもブランド好きなのか?電車に乗っても、通勤途中の若い女性が、ブランドのバッグや靴を持っているのに気づく。私達世代にとっての「よそ行き」の姿は、今の若いキャリア世代には「日常」なのだ。
 一目見ればバッグのブランドがわかる。「そんなの常識!」の声が彼女達から聞こえそうだ。一方で、「さば」「さんま」「いわし」の区別がつかなくてもあまり非常識に思っていない。
 私の世代だと、一つや二つは何がしかのブランド物を持っている人はいる。が、とりわけ私の友人には(だから波長が合うのかもしれないが)ブランド物に関心の薄い人が多い。 理由は簡単。「高価で名ばかりの、履きにくい靴や、重くて使いにくいバッグは要らない。」
 でもこの間、数人で集まったら、私もかなりブランド名には、うといゾーンに入っていた。それでも一言、あえて言わせてもらおう!「フェラガモ」を鴨(カモ)の一種だと信じていた友人よりはマシである。尤もこのレベルで優越感を持っても仕方ないが・・・


 最近、有名デパートで見られる独特の光景がある。娘が30代、母親が60代と思しき親子。その母親がベビーカーを押している。つまりお嫁に行ったけど、今日は一緒にお買い物でもしましょうと、娘が連れて来た孫の乗るベビーカーを押しながら、二人してブランドショップへ。そして母親が娘にブランドバッグを買ってあげているのである。
 この、親離れ子離れしない親子が、ランチしてお買い物する事を「外反母趾」ならぬ「外飯母子」っていうのだそうだ。更に、一枚6,7千円もするバーバリーのよだれかけを、つい孫に買ってしまうおばあちゃんを、人呼んで「婆婆りー」って言うのだそうだ。

 こんな世も末な話をグッチ(愚痴)っていても仕方ない、私もまだ孫の可愛さに理性を忘れるおばあちゃんの経験はないから、今の所、その気持ちは全然わからない!
 ただ、「ブランド万才」で書きたいのはこんな事ではないのよ、もうちょっと真面目な話。
 でもつまらぬ駄洒落を言っていたら疲れたので、それは今度の機会にね。

2004.4.29

 


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