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山登りを始めて
Vol.4

 今まで流れや波に乗って、という訳ではありませんけど、結構コンサ−トを開いてはその事でバタバタと明け暮れていました。
 今年は少しゆっくりしたい、新しい曲も少しずつ書いてみたい、と同時に少しずつ本気で自分の体の事も含め、体力をつけなくてはと考え始めました。


 そう、もうそんなに若くはないんです!何なのでしょう?ちょっと前に出来ていた事が億劫になったり忘れやすかったり。パソコンに向かえば肩こりや目の疲れがそう簡単には取れません。

 極め付けは洗濯物を干していた時の事。あと一つ干せば終わり、という所で電話が鳴り、走って行って受話器を取ったのです。しばらく話し込んで電話が終わったら、自分がしていた事を全く忘れてしまいました。夕方薄暗がりの中、妙な場所に変な物体が転がっている。よもやネズミの死骸かと恐る恐る近づいたら何の事はない、朝干し忘れた最後の一つの洗濯物が、脱水機から出したままの状態でガジガジに干からびていたのでした。


 あーこれでは駄目だ!一念発起とばかり、体と心のリフレッシュ、久しぶりに山登りに行き始めました。私には姉が大勢いるのですけど皆山登りをするんです。そのうち二人は学生時代に山岳部だったというかなりの本格派。最近昔山にあまり興味の無かった姉も山に頻繁に行くようになって、私一人が話についていけなくなりました。これは結構淋しい。
 何より、かなり山登りというハ−ドな事をして来るのに、姉達が一様に体の調子が良くなる、と言うんです。という訳で日帰りや泊まりがけも含め、この1年は結構山に出掛けました。

 秋の日のブナの林の美しさや、冬、そそり立つ岩を見上げて感動したり。どこの山を登って来たという事より、日常の中で忘れていたものすごく大きなものに出会えて幸せでした。

 フ−ム、だから偉大な作曲家の方々は山登りとまでは行かなくとも、腕を後に組んでしばし田園の中を散策したり、自然に身を任せて創作をしていたのだろうと妙に納得したり。

 ただ、この新しい経験は少しずつ何か新しいものを私の中に吹き込んでくれているみたいです。まだ形にはなりませんが、母の情景の曲とは違った新しい切り口のものが生まれて来るといいんですけど。 また気長にやっていきます。

2000.11.10 岡本由利子

 


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