2003-03-07
(Fri)
たとえば病気や怪我の事って、その内容にもよりますが、親類やごく親しい友人にしか話さないものです。それでも2月に私の味わった体験は普段気づかず暮らしている世界が、また別の角度からすごく新鮮に見えましたので書く事にしますね。マイナーな話だけでは誰も読む気にもならないでしょうから、出来るだけ楽しく?!なんと前編後編で。
<びっくりぎっくり体験記 前編(家庭編)>
最初は腰のあたりがピキピキと来た感じ?そのうち痛くて歩くのもやっとになり、お医者さんに行ったら、なんと「ぎっくり腰」になりかけているとか!ひえっ重いもの持った気憶ないのに何故?!事実だけがやって来た。
さあ、それからが大変。人間は何て知らず知らず腰を使っているのかと思う事しきり。私の場合、ちょっとでもねじる動作が入ったりすると、それが神経に触るらしく、その痛さたるや、もう「目から炎」!!
一番辛いのは寝起き。思い浮かべて下さい。ベッドでも敷き布団でも、片側が壁についていればまだマシですが、つかまる所がない!私達は何気に腰で布団にすべりこんで、寝返りをうったり布団を引き寄せているのですね。が、こういう動作が一切駄目。で、掛け布団を何とかはずし、ねらいを定めて敷布団めがけてうつ伏せになる。で、そのままモガモガ。ちょいと掛け布団も引き寄せられない。ん?これって噴霧器をあびたコックローチ(ゴキブリ)状態ではないか・・・
そして朝。さあ、起きるのが一苦労。誰かに両手を取ってもらってゆっくり起きるのがいいと、だんだんわかって来た。夫が手を差し伸べてくれたのはあり難い。こんなシーンは結婚して、いまだかつてないのではないか?「そろり姫」よろしく起き上がる。けれども、夫も初めてでその程度がわからない。引っ張り方が少々強く過ぎて、またしても入った。「ガクーン」イタタ、その場に沈み込んだ。
その日頼りにしていた娘はあいにく留守。そっとなら歩けたので、買いおきしてあった材料で、せめても食事位は作ろうと台所に立ったのだけど、高い所にある皿を取ろうと腕をあげただけで、またしても恐怖の「ガクーン」。つくづく妊娠中は高い所の物を取ってはいけない、と実感する。今私がそれを言っても何もはじまらないけど。
そんなこんなで疲れきって夕食後、食卓の横に引っぱり出した布団でクタッとなっていたら、何だか頭の上の方で食器や水の音がする。「ん?」と思いきや、普段はあんまり手伝いもしなかった息子が、食器を洗っている。
うーんそういえば、一度だけ30過ぎ位の時に「絶対安静」を言い渡された事があったけど、それ以来、有難い事に病気らしい病気をほとんどしない私だったのだ。息子には、母親が寝込む姿はどう映ったのだろう?
翌日、日曜日。すべては家族愛に包まれてめでたし、めでたしと思いきや、そうは行かなかった。午前中はウロウロしていた家族も、一人出掛け、一人去り、とうとう自分一人きりになってしまった。それもわかる。別に熱のある重病ではないんだから。でも不自由なんだな、これが。で、昼過ぎ、ちょっとお腹も空いて来たけれど、例の「ガクーン」の痛さに起き上がるのも辛い。「そのうちきっと誰か帰って来てくれるだろう。」とじっと待った。けれど1時が過ぎ、2時が過ぎても誰も帰らない。たまりかねて3時頃、やっと這い出して、蒸しパンをかじった。するとやっと家族が続々帰還。そして私を見て
「あれっ昼何も食べてなかったの?」
あのねえ。私は思わずこう歌わずにはいられなかった。
「みんなが病気の時おかゆを作るのに、逆になると見捨てられるのはなんでだろー、なんでだろー、なんでだ、なんでだろー!」怒。 |