2003-09-08
(Mon)
*高速道路へ
幸い高速道路の乗り口は5分位、そう遠くないようだった。さっきのおじいさんが、まるで子供に言い聞かせるみたいに、噛んで含めるようにして私に道を教えてくれるのだが、何だかそれがとても嬉しかった。緊張した割には、すんなり高速道路にのれた。道路は3車線、基本は日本と変わらない。遅い車は左、真ん中が普通のスピード、右端が追い越し車線だ。まあ、慣れないしゆっくり行けばいいと左車線で走って行った。素晴らしい天気だ。青い空に白い雲、周囲に広がるのどかで美しい田園風景・・・普段なら雑事に時間が過ぎて行く日常の中にいるのに、今は地球の裏側の見知らぬ土地を、たった一人でハンドルを握っている、そんな事に不思議さと楽しさを感じた!
しばらく行くと、前方にこれまたずいぶんゆっくりの車が走っていた。たまりかねて真ん中の車線に出てみた。まわりには車も少なかったので、つい左車線に戻らずそのまま走って、ふとバックミラーを見たら、一台の車が猛スピードでやって来た!若者が何人か乗っていて、私の車の後にピッタリつけるが否や、ライトでチカチカ「どけどけ!」のサイン。「わ、わ、こわいよォ、すぐどきまーす!」と左車線に入ると、スピードを上げた車から追い抜きざま、一斉にこちらに視線が降り注がれたようで何だか緊張した。と、思いきや、なんと後ろの座席にいた男の子が、私に一生懸命、「ごめんなさい。」というように日本式のお辞儀を何度もしてみせている。これには思わず爆笑してしまった。
きっと若い女の子でも運転していたら、ちょっとからかってやろうとでも思っていたんでしょうが、のぞいてみたら日本人の、それも中年のおばさんが一人で運転していたのでちょっと悪いと思ってくれたのかしら?さすが紳士の国ねえ。でも、からかわれないのも嬉しいような淋しいような・・・
日本の若者よ!すぐ些細な事にキレて、人を傷つけたり、殺してしまう事は止めて、こんなユーモアがどんな人を幸せにするか気づいてみて下さい。笑いは人を幸せにしますね!
ところで、イギリスの道路には下り口が何番と出て来るのだけど、私の下りるべき番号がだんだん近づいて来た。ただ、ナビゲーターがいないのはちょっとキツイ。またここで日本の感覚を持ち出しても、何の意味もないのだけれど、日本だったら、たとえばあと2km先で「静岡」とか表示が出て来るから少しは心の準備も出来る。けれどここは初めての異国の地、ゆっくり走れば良かったのだろうが、いきなり突然下り口の番号が出現し、「あれ?ここ?」と思った時は既に遅かった!あっという間に通過してしまった!!マズイ・・・
ご教訓Cやはり基本的に「今外国にいる。」という意識に欠ける。 |